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DX推進部のための「社内トランザクション診断チェックシート basic版」を作りました

【配布用】DXトランザクション診断_回答原本

【配布用】DXトランザクション診断チェックシート(社内用)

1. なぜ「トランザクション診断」なのか

社内DXの相談を受けていると、
「紙をタブレットに変えたい」「入力を音声にしたい」
といった“道具の置き換え”の話になりがちです。

でも、現場が本当に困っているのは

  • どこで仕事が詰まっているのか
  • 誰に依頼が集中しているのか
  • 部署ごとに負担や判断が偏っていないか

といった “社内トランザクション(業務の流れ)”の見えにくさ だったりします。

そこで作ったのが、今回の
「社内トランザクション診断チェックシート basic版」 です。


2. ツールの全体像

basic版は、すべて Googleフォーム+スプレッドシートだけ で動きます。

  1. Googleフォーム
    • 現場職員が 5段階でチェックに回答
    • 1回あたり10分もかからない簡易版
  2. Googleスプレッドシート
    • 回答データを自動で受け取り
    • 回答をスコア(1〜5点)に変換
    • 3つの指数を計算して、ヒートマップで表示
  3. 部署別サマリー
    • 部署ごとに平均値を集計
    • 「どの部署が詰まりやすいのか」が一目でわかる

外部サービスや有料アドオンは一切ナシ。
Googleアカウントさえあれば、どの事業所でも再現できます。


3. 3つの指数で“社内の交通状況”を見る

チェック結果は、次の3つの指数にまとめています。

  1. トラフィック指数
    • 業務量の多さ・依頼の多さ
    • 「とにかく忙しい」「電話や依頼が鳴り止まない」部署ほど高得点
  2. ルーティング指数
    • 情報や依頼の回り方のスムーズさ
    • たらい回し・確認待ち・保留が多いとスコア悪化
  3. 輻輳(ふくそう)指数
    • 特定の人/役職への集中度
    • 判断や承認が“一点に詰まる”ほど危険サインとして高くなる

この3つをヒートマップで見ると、
「仕事量が多いのに、依頼の流れはスムーズ」なのか
「量は普通なのに、判断が一人に集中している」のか
…といった “性質の違う詰まり” が切り分けられます。


4. basic版でできること

basic版でできるのは、ざっくり言うと次の3つです。

  1. 部署別の“詰まりやすさ”を可視化
    • 部署ごとの平均スコアを自動計算
    • 色の濃さで「どこが苦しいか」を共有
  2. Excel感覚でカスタマイズ
    • 質問文を自社向けに言い換え
    • 部署名・職種名を自由に変更
    • 必要なら設問を増減してもOK(Codebookを直せば対応可能)
  3. サンプルデータ付きですぐ試せる
    • サンプル回答シートを残してあるので
    • ヒートマップのイメージを インストール直後に確認可能

まずは basic版で、
「社内DX=とりあえずツールを入れる」から
「トランザクションを見直してからツールを選ぶ」
という順番にひっくり返すことが狙いです。


5. この先の pro版(予告)

今回の basic版は

  • フォーム
  • スプレッドシート
    までで完結する、現場実装用のミニマムセット です。

この先の pro版 では、

  • Looker Studio でのダッシュボード化
  • 期間比較/部署比較のグラフ
  • 組織ごとのレポート自動出力

など、DX推進部向けの“見せ方”を強化していく予定です。

まずは basic版で「流れ・詰まり・集中」を掴んでから、
必要に応じて pro版にステップアップしてもらえたらと思っています。