AIに会社を経営させてみたくなった【第5話】-画面を作った。コードより先に。— Virtual Company Studio 開発日誌- – AUL|Analyze U Lab

AUL|Analyze U Lab

Digital of eXperience |体験の見える化から、組織は変わる。

AIに会社を経営させてみたくなった【第5話】-画面を作った。コードより先に。— Virtual Company Studio 開発日誌-

はじめに

前回の第4話では、Human-in-the-loopを実装した話を書いた。一行の指示でAIの会社全体が動き方を変える、VCSのコアとなる機能だ。

今回は、画面(UI)を作った話だ。

順序としては少し変わっている。コードより先に、画面を作った。


なぜコードより先に画面か

エンジンは動いていた。

CFOが報告し、CTOが進捗を伝え、CMOがマーケを語り、CEOが判断する。全部GASのログとして流れていた。

でも、ログは読みにくい。

そして何より、「これが何のツールか」を自分でも説明しにくかった。

コードを見せても伝わらない。ログを見せても伝わらない。画面があれば、一目で伝わる。

だからワイヤーフレームから始めた。


3画面のワイヤーフレーム

HTMLで3つの画面を作った。

1. ダッシュボード

会社の現状を一目で把握する画面。

  • KPIカード4枚(売上・エージェント数・タスク完了率・コスト)
  • エージェントのスコア一覧
  • アクティビティフィード(最近の意思決定・イベント)
  • 財務推移グラフ

2. エージェント設定画面

各エージェントの設定を変更する画面。

  • 左側にエージェント一覧(スコア・ステータス付き)
  • 右側に選択したエージェントの詳細設定

詳細設定には以下が含まれる。

  • 基本設定(名前・役職・システムプロンプト)
  • パーソナリティ設定(リスク許容度・意思決定速度などのスライダー)
  • スキル・権限(戦略立案・予算承認・採用決定などのトグル)

3. シミュレーション実行画面

実際にシミュレーションが動く画面。

上部にサイクル進捗バーと操作ボタン。中央にエージェントのターン(完了・処理中・待機)。右側にリアルタイムログ。

そして一番下に、Human-in-the-loopの介入ボックス


「これ、ゲームじゃないか」という気づき

シミュレーション実行画面を作っていた時、ふと気づいた。

CEOが「Claude APIが応答を生成中…」とアニメーションしている。エージェントのターンが順番に進んでいく。イベントが発生する。スコアが動く。

これ、ゲームだ。

ビジネスツールとして設計していたはずが、画面にしてみたら完全にゲームの画面になっていた。

会社経営シミュレーションゲームとして見ると、全ての要素が揃っている。

  • サイクルごとに状況が変わってドラマが生まれる
  • エージェントのスコアが上下する
  • ランダムイベントが発生する
  • 人間が介入して結果を変えられる

これは意図していなかった気づきだった。でも、VCSには最初からゲームとしての顔があったのかもしれない。


ダークテーマとライトテーマの使い分け

最初はダークテーマで作った。黒背景に緑のアクセント。ハッカーっぽい雰囲気。

でも考えてみると、スタートアップ創業者が使うビジネスツールとして見ると、暗すぎる。

そこで方針を決めた。

ダークテーマ → ゲーム版 ライトテーマ → ビジネスツール版

ライトテーマは青から緑へのソフトグラデーション。Stripe・Linear・Notionに近い、プロフェッショナルで爽やかな印象にした。

ヒーローバナーでその週のサマリーを一言で表示。KPIカードにホバーエフェクト。エージェントのスコアバーがカラフルに並ぶ。

同じエンジン、2つの顔。

VCSのビジネスモデルとして、これは面白い方向性だと思っている。


次回予告

第6話では、AIがAIを採点した話を書く。

採点専用のエージェントを追加したら、CFOに「キーマン離脱リスクへの言及が報告に皆無で危機感不足」と厳しいコメントが出た。

AIが、AIを批評する。その瞬間の話だ。


→ note版(ショート)はこちら
→ 前回【第4話】:一行の指示で、会社が変わった
→ 次回【第6話】:AIがAIを採点した日


Virtual Company Studio 開発日誌 #5
2026年2月
#VCS #AI #UI設計 #ゲーム #スタートアップ #開発日誌