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介護保険事業状況報告データ分析
(令和5年度・全国計)
分析の概要
ご提供いただいたCSVファイル群(のスニペット)から主要なデータを抽出し、8つのテーマで相関分析と可視化を行いました。 これにより、日本の介護保険制度における主要な傾向を概観します。
注記
この分析は、提供されたCSVファイルのごく一部(スニペット)から抽出した限定的なデータに基づいています。全データを用いて分析した場合、より詳細で正確な結果が得られます。(例:スニペットには「訪問看護」や「通所介護(広域)」のデータが含まれていませんでした。)
分析1: 年齢階級別 要介護(要支援)認定者数
第1号被保険者(65歳以上)について、年齢階級が上がるにつれて要介護(要支援)認定者数がどのように変化するかを分析します。(出典:4-1表のスニペットデータ)
考察(相関分析)
上のグラフ(積み上げ棒グラフ)は、2つの年齢階級(「65~70歳未満」と「70~75歳未満」)における要介護度別の認定者数を示しています。
- 認定者総数の増加: 年齢階級が「65-70歳未満」(総数 約20万人)から「70-75歳未満」(総数 約44万人)に上がるだけで、認定者総数が倍以上に増加しています。
- 重度化の傾向: 「70-75歳未満」の階級では、「65-70歳未満」と比較して、すべての要介護度で認定者数が増加していますが、特に「要介護1」以上の認定者数の伸びが顕著です。
このスニペットデータからだけでも、年齢と「要介護認定を受けるリスク」および「要介護度の重度化」には、強い正の相関があることが明確に示唆されます。年齢が上がるにつれて、介護サービスを必要とする人の数が急激に増加する実態がわかります。
分析2: 所得段階別 第1号被保険者数
第1号被保険者が、保険料の算定基準となる所得段階別にどのように分布しているかを可視化します。(出典:17表のスニペットデータ)
考察(分布の可視化)
上のグラフは、所得段階(全9段階)ごとの被保険者数を示しています。
- 分布の山: スニペットデータからは、被保険者数が「第1段階」(約595万人)と「第6段階」(約528万人)に大きな山(ピーク)があることがわかります。
- 保険料負担の構造: 「第1段階」は住民税非課税世帯など(標準割合:10分の5)であり、最も多くの被保険者が含まれる層です。一方で、「第6段階」(標準割合:10分の12)以降は、所得が上がるにつれて保険料負担も重くなります。
この所得段階の分布は、介護保険料の収入構造を理解する上で重要です。このデータと、先の要介護度データを突き合わせることで、「所得段階と介護サービスの利用状況(負担割合など)にどのような相関があるか」といった、さらに一歩進んだ分析が可能になります。
分析3: 要介護度別 居宅(介護予防)サービス利用件数
要介護度別に、在宅での介護サービス(訪問介護、通所介護など)が延べ何件利用されているかを分析します。(出典:8-1表のスニペットデータ)
考察(相関分析)
上のグラフは、要介護度ごとの「居宅(介護予防)サービス」の年間延べ利用件数を示しています。
- 「要介護1」がピーク: サービスの利用件数は「要支援1」から増加し、「要介護1」で約3,765万件とピークに達しています。
- 重度化に伴う減少傾向: 興味深いことに、「要介護2」(約3,666万件)以降は、要介護度が重くなるにつれて居宅サービスの利用件数が減少しています。「要介護5」では約1,355万件となり、ピーク時の半分以下です。
この傾向は、要介護度が重度(要介護3以上)になると、在宅での生活継続が難しくなり、「居宅サービス」から特別養護老人ホームなどの「施設サービス」へ移行する人が増加するという相関関係を強く示唆しています。
日本の介護は「軽度・中度者は在宅(居宅サービス)、重度者は施設」という構造になっている可能性が、このデータから読み取れます。
分析4: 被保険者別 居宅(介護予防)サービス利用件数
分析3の「居宅(介護予防)サービス」利用件数を、「第1号被保険者(65歳以上)」と「第2号被保険者(40~64歳)」に分けて比較します。(出典:8-1, 8-2, 8-5表のスニペットデータ)
考察(相関分析)
上のグラフは、居宅サービス利用件数を要介護度別に、第1号(青)と第2号(黄)で比較したものです。
- 利用者の圧倒的多数は第1号: 全ての要介護度において、利用件数の圧倒的多数(グラフの青い棒)は第1号被保険者(65歳以上)によるものです。
- ピークの違い: 第1号被保険者(高齢者)の利用は「要介護1」でピークを迎えますが、第2号被保険者(グラフの黄色い棒)の利用は「要介護2」でピークを迎えています。
このピークの違いは、第2号被保険者が認定を受ける原因疾患(特定疾病:末期がん、脳血管疾患など)が、認定当初から比較的重度である傾向を反映している可能性があります。
分析5: 第1号被保険者の所得負担割合別 居宅サービス利用件数
第1号被保険者(65歳以上)の居宅サービス利用件数を、利用者負担の割合(1割・2割・3割)別に分解します。これにより、所得階層ごとのサービス利用状況を分析します。(出典:8-2, 8-3, 8-4表のスニペットデータ)
考察(相関分析)
上のグラフは、第1号被保険者の利用件数を、負担割合別に色分けして積み上げたものです。
- 1割負担者が大半: 全ての要介護度において、サービス利用件数の大半(約85%~90%)は「1割負担」(青色)の層(主に住民税非課税世帯や一定所得以下)によって占められています。
- 2割・3割負担者の利用: 「2割負担」(緑色)および「3割負担」(黄色)の層(現役並み所得層など)も一定数サービスを利用していますが、全体に占める割合は限定的です。
このデータは、介護保険制度が、特に所得が低い層の在宅生活を支える上で中心的な役割を果たしていることを示しています。また、分析2の「所得段階別被保険者数」と合わせて見ると、所得が低い層(第1~5段階)の被保険者数が多いため、そのままサービス利用件数(1割負担)の多さに直結している相関関係が読み取れます。
分析6: 主要訪問サービス(訪問介護 vs 訪問入浴)利用件数
在宅サービスの根幹である「訪問介護(ホームヘルプ)」と、ご要望にあった「訪問入浴介護」の利用件数を、要介護度別に比較します。(出典:8-1表のスニペットデータ)
考察(相関分析)
上のグラフは、「訪問介護」(青)と「訪問入浴介護」(紫)の利用件数を要介護度別に示しています。
- サービスの特性が明確: 2つのサービスの利用傾向は全く異なっています。
- 訪問介護: 「要介護1」が約414万件とピークで、重度化するにつれて利用が減少します。これは「居宅サービス全体」(分析3)の傾向と類似しており、身体介護や生活援助のニーズが軽度・中度者で高いことを示します。
- 訪問入浴介護: 「要介護1」(約1.8万件)では利用が少ない一方、要介護度が上がるにつれて指数関数的に利用が増加し、「要介護5」で約24.7万件とピークを迎えます。
この強い相関は、「訪問入浴」が、自力での入浴が困難になる重度の要介護者(特に要介護4, 5)のQOLを支えるために特化したサービスであることを明確に示しています。
分析7: 主要通所サービス(地域密着型 vs 認知症対応型)利用件数
通所系サービス(デイサービス)について、「地域密着型通所介護」と「認知症対応型通所介護」の利用件数を、要介護度別に比較します。(出典:8-1表のスニペットデータ)
考察(相関分析)
上のグラフは、2種類のデイサービス利用件数を比較したものです。
- 地域密着型通所: 「要介護1」が約1500万件と圧倒的に多く、重度化につれて減少します。これは居宅サービス全体の傾向(分析3)と一致します。
- 認知症対応型通所: こちらも「要介護1」がピークですが、減少が緩やかで、「要介護3」でも約155万件と高い水準を維持しています。
この傾向は、認知症が進行・重度化する「要介護3」あたりでも、専門的なケア(認知症対応型通所)への高いニーズが継続していることを示唆しています。
分析8: 「訪問入浴介護」利用者の要介護度別 構成割合
分析6で取り上げた「訪問入浴介護」について、全利用件数(総数 約55.6万件)のうち、どの要介護度の利用者がどれくらいの割合を占めているのかを可視化します。(出典:8-1表のスニペットデータ)
考察(構成比分析)
上のドーナツグラフは、「訪問入浴介護」の利用者構成比を示しています。
- 重度者に極度に集中: 「要介護5」(44.4%)と「要介護4」(26.9%)の2区分だけで、利用者全体の 71.3% を占めています。
- 要介護3を含めた割合: 「要介護3」(14.6%)まで含めると、要介護3以上の重度者が利用者の85%以上を占める計算になります。
- 軽度者の利用は稀: 要支援1, 2および要介護1の利用者は、すべて合わせても全体の4%未満です。
この分析から、「訪問入浴介護」は、在宅で生活する重度要介護者にとって不可欠な専門サービスであることが、データによって裏付けられました。
