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週刊DoX入門 第5話『観測が入ると、会議は短くなる(ただし最初は荒れる)』

“念のため”をラベル化して、コストを1つだけ出す。
ここまでやると、次に起きるのはだいたいこれ。

会議が短くなる。

ただし、最初は少し荒れる。
なぜなら、観測が「空気」を壊すから。

会議が長い理由は、情報不足じゃない

会議が長いのは、

  • 資料が足りないから
  • データがないから

……じゃないことが多い。

長い会議の正体は、だいたいこの3つ。

  1. 前提が揃っていない(各自が別の現実を見ている)
  2. 論点が滑る(“結論”の話をしているつもりで“感想”を言っている)
  3. 決めない(決めると責任が生まれるから)

だから資料を増やすほど、悪化する。
“前提”が増えるから。

(日本の会議がパワポで太る理由、ここにあり。)

DoX流:会議の前に「問い」を置く

DoXは、会議をこう設計する。

  • 会議の目的:結論を出す じゃなくて
    “問いの形”を揃える
  • 使う材料:KPI全部じゃなくて、観測点1つ
  • 進め方:議論じゃなくて、選択肢の比較

たとえば、議題が「申し送りが長い」なら、問いはこうなる。

  • “長い”とは何分以上?(定義)
  • “長い”ことで困っているのは誰?(影響範囲)
  • “長い”理由は、内容が多いのか、脱線なのか(原因の仮説)

ここに観測点(例:申し送り時間、脱線タグ、未読率)を添える。

すると会議はこう変わる。

「いや、現場は大変なんですよ」
から
「脱線タグが多い日の共通点は何?」
に変わる。

人格じゃなく、構造。

ただし最初は荒れる。“見えたくないもの”が見えるから

観測が入ると、必ず誰かがこう言う。

「それ、数字にできないよね」
「それって、現場の温度感が…」
「結局、人の問題だよ」

ここでDoXはニヤっとする(心の中で)。

数字にできないのは“現場”じゃない。
まだ“問い”が粗いだけ。

問いが粗いと、観測は刺さらない。
問いが研がれると、観測は武器じゃなく“鏡”になる。

会議のゴールは「決定」じゃなく「次の観測」

会議の最後に決めるのは、改善案じゃない。
最初は特に。

決めるのは、これだけ。

  • 次にどこを観測するか
  • 何を1つだけ増やして測るか
  • いつまでに見るか

改善は、その次でいい。
焦るとまた資料が太る。会議も太る。


さて、ここで最大の罠がある。

観測が上手くいき始めると、こうなる。

「もっと観測点を増やそう」
「もっとデータを取ろう」
「もっと見える化しよう」

……そう。成功した瞬間が一番危ない。

あなたの組織は、観測が増えても“見続ける”自信がある?
それとも、また「監視カメラだらけの警備室」になりそう?

6話に続く。