- 週刊DoX入門|第1話『仕事は流れているようで、止まっている』
- 週刊DoX入門|第2話『観察は分析ではない。まず“見る”ことから始まる。』
- 週刊DoX入門 第3話『観測点は、いくつ要る?』
- 週刊DoX入門 第4話『「念のため」が組織を太らせる』
- 週刊DoX入門 第5話『観測が入ると、会議は短くなる(ただし最初は荒れる)』
“念のため”をラベル化して、コストを1つだけ出す。
ここまでやると、次に起きるのはだいたいこれ。
会議が短くなる。
ただし、最初は少し荒れる。
なぜなら、観測が「空気」を壊すから。
会議が長い理由は、情報不足じゃない
会議が長いのは、
- 資料が足りないから
- データがないから
……じゃないことが多い。
長い会議の正体は、だいたいこの3つ。
- 前提が揃っていない(各自が別の現実を見ている)
- 論点が滑る(“結論”の話をしているつもりで“感想”を言っている)
- 決めない(決めると責任が生まれるから)
だから資料を増やすほど、悪化する。
“前提”が増えるから。
(日本の会議がパワポで太る理由、ここにあり。)
DoX流:会議の前に「問い」を置く
DoXは、会議をこう設計する。
- 会議の目的:結論を出す じゃなくて
“問いの形”を揃える - 使う材料:KPI全部じゃなくて、観測点1つ
- 進め方:議論じゃなくて、選択肢の比較
たとえば、議題が「申し送りが長い」なら、問いはこうなる。
- “長い”とは何分以上?(定義)
- “長い”ことで困っているのは誰?(影響範囲)
- “長い”理由は、内容が多いのか、脱線なのか(原因の仮説)
ここに観測点(例:申し送り時間、脱線タグ、未読率)を添える。
すると会議はこう変わる。
「いや、現場は大変なんですよ」
から
「脱線タグが多い日の共通点は何?」
に変わる。
人格じゃなく、構造。
ただし最初は荒れる。“見えたくないもの”が見えるから
観測が入ると、必ず誰かがこう言う。
「それ、数字にできないよね」
「それって、現場の温度感が…」
「結局、人の問題だよ」
ここでDoXはニヤっとする(心の中で)。
数字にできないのは“現場”じゃない。
まだ“問い”が粗いだけ。
問いが粗いと、観測は刺さらない。
問いが研がれると、観測は武器じゃなく“鏡”になる。
会議のゴールは「決定」じゃなく「次の観測」
会議の最後に決めるのは、改善案じゃない。
最初は特に。
決めるのは、これだけ。
- 次にどこを観測するか
- 何を1つだけ増やして測るか
- いつまでに見るか
改善は、その次でいい。
焦るとまた資料が太る。会議も太る。
さて、ここで最大の罠がある。
観測が上手くいき始めると、こうなる。
「もっと観測点を増やそう」
「もっとデータを取ろう」
「もっと見える化しよう」
……そう。成功した瞬間が一番危ない。
あなたの組織は、観測が増えても“見続ける”自信がある?
それとも、また「監視カメラだらけの警備室」になりそう?
6話に続く。
