- 週刊DoX入門|第1話『仕事は流れているようで、止まっている』
- 週刊DoX入門|第2話『観察は分析ではない。まず“見る”ことから始まる。』
- 週刊DoX入門 第3話『観測点は、いくつ要る?』
- 週刊DoX入門 第4話『「念のため」が組織を太らせる』
- 週刊DoX入門 第5話『観測が入ると、会議は短くなる(ただし最初は荒れる)』
渋滞ポイントを見つけると、だいたい現場はこう言う。
「そこは大事なんですよ」
「事故が起きたら困るので」
「念のためです」
……わかる。わかるんだけど、DoXはここで一回、冷静に言う。
“念のため”は、善意の顔をした増税。
気づかないうちに、全員の時間を徴収していく。
“念のため”の正体は、責任の所在が曖昧なだけ
“念のため”が増える現場には、共通点がある。
- 判断の責任がどこにあるか不明
- 失敗時の説明の型がない
- 例外処理が属人化している
つまり「怖い」から守りを厚くする。
その結果、入力が増え、承認が増え、確認が増え、会議が増える。
増えたのは安全じゃなくて、作業だ。
DoXの処方箋は「削る」じゃない。「証拠化」だ
ここでありがちな失敗が、
「じゃあチェック減らしましょう!」
→ 現場「怖いので無理です」
→ 終了
だからDoXは、削る前にこうする。
- “念のため”をラベル化する
- 例:「法令」「事故防止」「クレーム対策」「上司の安心」「前例」
- そのラベルごとに、コストを1個だけ見せる
- 時間(何分)でも、滞留件数でも、差し戻し数でもいい
- 最後に、“守りたいもの”を文章にする
- 「誰を、何から守るチェックなのか」
これをやると面白いことが起きる。
“上司の安心”が悪者にならない。
むしろ、「安心のために、これだけ払ってる」って可視化される。
守りたいものが言語化されると、代替案が出せるんだ。
- そのチェックを減らす代わりに、事後監査にする
- 承認じゃなく、ログだけ残して任意確認にする
- 例外だけレビューに回す
「削る」じゃなくて、「守り方を変える」。
観測は、議論を“人格”から“構造”へ移す
“念のため”が多い職場ほど、議論がこうなりがち。
- 「Aさんがちゃんと見てないから」
- 「B部署のレスが遅いから」
- 「あの人が雑だから」
でも観測が入ると、こうなる。
- 「ここで滞留している」
- 「ここで差し戻しが発生している」
- 「ここが例外処理の温床になっている」
責める相手がいなくなる。
代わりに、構造が見える。
じゃあ質問。
あなたの現場で一番多い“念のため”は、どれ?
- 事故防止のため
- クレーム対策のため
- 法令のため
- それとも……“上司の安心のため”?
5話に続く。
