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週刊DoX入門 第4話『「念のため」が組織を太らせる』

渋滞ポイントを見つけると、だいたい現場はこう言う。

「そこは大事なんですよ」
「事故が起きたら困るので」
「念のためです」

……わかる。わかるんだけど、DoXはここで一回、冷静に言う。

“念のため”は、善意の顔をした増税。
気づかないうちに、全員の時間を徴収していく。

“念のため”の正体は、責任の所在が曖昧なだけ

“念のため”が増える現場には、共通点がある。

  • 判断の責任がどこにあるか不明
  • 失敗時の説明の型がない
  • 例外処理が属人化している

つまり「怖い」から守りを厚くする。
その結果、入力が増え、承認が増え、確認が増え、会議が増える。

増えたのは安全じゃなくて、作業だ。

DoXの処方箋は「削る」じゃない。「証拠化」だ

ここでありがちな失敗が、

「じゃあチェック減らしましょう!」
→ 現場「怖いので無理です」
→ 終了

だからDoXは、削る前にこうする。

  1. “念のため”をラベル化する
    • 例:「法令」「事故防止」「クレーム対策」「上司の安心」「前例」
  2. そのラベルごとに、コストを1個だけ見せる
    • 時間(何分)でも、滞留件数でも、差し戻し数でもいい
  3. 最後に、“守りたいもの”を文章にする
    • 「誰を、何から守るチェックなのか」

これをやると面白いことが起きる。

“上司の安心”が悪者にならない。
むしろ、「安心のために、これだけ払ってる」って可視化される。

守りたいものが言語化されると、代替案が出せるんだ。

  • そのチェックを減らす代わりに、事後監査にする
  • 承認じゃなく、ログだけ残して任意確認にする
  • 例外だけレビューに回す

「削る」じゃなくて、「守り方を変える」。

観測は、議論を“人格”から“構造”へ移す

“念のため”が多い職場ほど、議論がこうなりがち。

  • 「Aさんがちゃんと見てないから」
  • 「B部署のレスが遅いから」
  • 「あの人が雑だから」

でも観測が入ると、こうなる。

  • 「ここで滞留している」
  • 「ここで差し戻しが発生している」
  • 「ここが例外処理の温床になっている」

責める相手がいなくなる。
代わりに、構造が見える。


じゃあ質問。

あなたの現場で一番多い“念のため”は、どれ?

  • 事故防止のため
  • クレーム対策のため
  • 法令のため
  • それとも……“上司の安心のため”

5話に続く。