注)このツールは1on1の支援をし参考であって、正解を示しているものではありません。
1on1を「やってるのに変わらない」理由、そこにあります
管理職として1on1を続けているのに、こんな違和感はありませんか?
- 面談後に「いい話ができた気がする」だけで、次に繋がっている実感がない
- 部下が本音を言わず、表面的な報告で終わる
- 記録や振り返りが続かず、改善が回らない
- センシティブな話が出るほど、データの扱いが怖くなる
管理職が“何も書かず”に続けられるAmbient運用で、1on1の記録をAIが分析し、「本音を引き出せているか」「信頼関係は深まっているか」を可視化して振り返る仕組み、AUL 1on1 Supporterを解説します。
さらに、カウンセリング技法を知らない人がやりがちな 「アドバイス」「答えを急ぐ」といった行為を、なぜ避けるべきか、どう改善に繋げるかも具体的に扱います。
1. 現場の課題:1on1の質が「管理職の感覚頼み」になっている
1on1がうまくいかないとき、多くの場合、問題は「回数」ではなく質のブレです。
- 雑談で終わる回と、詰問になる回が混在する
- 部下の話が浅く、核心に触れない
- その場は収まるが、次の面談に改善が反映されない
- 管理職が部下より、しゃべりすぎ
なぜか。
理由はシンプルで、振り返りが設計されていないからです。
「今日はうまく聴けた」「今回は微妙だった」
この“感想”で終わる限り、改善は偶然に依存します。
2. カウンセリング参考例:Gemがどのような回答をしたか?
退職を考えている部下との1on1
【0〜5分:安心できる場づくり】
M(上司):今日は評価の場ではありません。率直に話してもらって大丈夫です。最近どうですか?
S(部下):正直に言うと、会社を辞めようかと考えています。
M:そう思うほどの理由がある、ということですね。まずは聞かせてください。
【5〜10分:理由の言語化】
S:仕事自体は嫌いじゃないですが、将来が見えなくて。
M:将来が見えない、というのは
・役割
・成長
・評価
このあたりでしょうか?
S:全部です。頑張っても何が変わるのか分からない。
M:なるほど。努力と見返りのつながりが見えない状態ですね。
【10〜15分:感情の整理】
M:この状態が続くと、Sさん自身はどうなりそうですか?
S:気持ちが持たないと思います。
M:ここまで我慢してきたのは事実です。
辞めたいと考えるのは自然な反応です。
【15〜20分:本人の希望を確認】
M:もし続けるとしたら、何が変わればいいと思いますか?
S:
・役割をはっきりさせたい
・評価の基準を知りたい
・成長の道筋が欲しい
M:かなり明確ですね。
【20〜25分:上司の責任範囲を示す】
M:その3点は、会社側の設計不足です。
個人の問題ではありません。
M:すぐにできることとして
・役割の再定義
・評価項目の共有
・次のステップの提示
この3つを私が用意します。
S:本当にやってもらえるなら、考え直したいです。
【25〜30分:選択権は部下に】
M:辞める・続ける、どちらを選んでもSさんの権利です。
今日は「選択肢がある」状態を作るのが目的でした。
S:少し気持ちが整理できました。
M:2週間後にもう一度話しましょう。
それまでに無理に結論を出す必要はありません。
▼AUL 1on1 Supporter v1として、今回のセッションを分析し、あなたがさらに深く内省するためのレポートを作成しました。
【セッションの要約】
Sさんからの「会社を辞めようかと考えている」という非常に重い告白に対し、動揺を見せず、まずは「聞かせてください」と受け止めたあなたの姿勢は実に見事でした。部下の率直な感情を否定せず、受容的な態度で接したことで、Sさんは安心して自身の状況を語り始めることができたはずです。また、問題の所在を個人の資質ではなく「会社の設計不足」として外在化したことは、Sさんの心理的負担を軽減し、前向きな対話へと転換させる大きな鍵となりました。
【内省の転換点】
心のとびら:問いかけ
Sさんが「将来が見えない」と言った際、あなたは「役割・成長・評価」という具体的な3つの選択肢を提示しました。この時、「Sさんの語りたい物語(ナラティブ)」を、あなた自身の言葉で枠にはめて(クローズドにして)しまわなかったでしょうか? 提示された選択肢は、Sさんの心の中にある本当の違和感と完全に一致していたでしょうか?
心のとびら:気づきの解説
アイビイのマイクロ技法において「開かれた質問」は話の展開を助けますが、具体的な単語を提示して選ばせる形は、時に「閉じられた質問」に近い効果を生んでしまいます。カウンセリングの基本である「共感的理解」とは、相手の「ものの見方・考え方」に沿って理解しようとすることです。 今回のケースでは、Mさんが示した3つのカテゴリーが「正解」として機能し、Sさんがそれ以外の、もっと言語化しにくい「感情の断片」を語る機会を奪ってしまった可能性があります。管理職としての責任感から「早く解決策を示して安心させたい」という思いがあったかもしれませんが、あえて「将来が見えない、というのは、具体的にどのような風景が見えている(あるいは見えていない)のですか?」と、Sさんの抽象的な言葉をそのまま深掘りすることで、Sさん自身の内省をより深化させることができたでしょう。
【サポーターの伴走】
「その3点は、会社側の設計不足です」と言い切ったあなたの決断と、自分自身の責任範囲を明確にした誠実さを強く支持します。組織の仕組みの問題として問題を外在化させたことで、Sさんは「自分を責める」状態から脱却し、解決すべき課題に目を向けることができました。これは、ラポール(信頼関係)を構築する上でも極めて重要なステップです。
2週間後に予定されている次回の対話では、あなたが用意した「役割の再定義」などの「解決策」を提示する前に、今一度、Sさんがその解決策をどう感じているか、その「心の温度」を丁寧に確かめてみてください。Sさんが「自分の人生の選択権は自分にある」と確信しながら、あなたという強力なサポーターと共に歩めるよう、引き続き背中を押させていただきます。
次回のステップへの問い 「役割・評価・成長」という3つの案を伝えた瞬間、Sさんの表情や声のトーンにどのような変化が見られましたか?
スプレッドシート転記用データ
Plaintext
2026/01/17 10:19 Sさん 辞職の意向を受け止め、問題の所在を組織の設計不足として外在化した姿勢は素晴らしいです。 将来が見えないという言葉に対し、具体的な選択肢を提示した際、相手のナラティブを枠にはめていませんでしたか? 提示された枠組みは内省を助ける一方で、相手が持つ固有の物語を閉ざすリスクがあります。感情をそのまま映し出すことが重要です。 組織の問題として外在化した決断を支持します。次回は解決策の提示前に相手の「心の温度」を再確認してください。 3つの案を提示した瞬間の、Sさんの微細な表情や声のトーンの変化はどうでしたか? 70 90 75
3. だから重要:1on1の肝は「答え」ではなく“問いの返し方”
1on1で本当に効くのは、アドバイスよりも先にあるものです。
- 相談者にどう問いを返すか
- 相談者が内省できるために、どんな言葉をかけるか
つまり「正解を渡す」よりも、「相手が自分の言葉で整理できる状態」を作ること。
ここで効いてくるのが、キャリアコンサルタント受講者には馴染みのあるロジャーズ的アプローチです。
難しい理論として覚える必要はありません。現場で効く形にすると、だいたい次の方向性です。
- 相手の言葉を急いで結論にしない
- 感情と言葉を丁寧に“受け取って返す”
- 「本人が何を大事にしているか」が見える問いを返す
この“型”があると、1on1の質が安定します。
逆に、型がないと、忙しい管理職ほど「早く解決しよう」としてアドバイスに寄りがちです。
4. そこでAUL 1on1 Supporter:記録をAIが分析し、推移を可視化する
AUL 1on1 Supporterは、管理職の1on1を「やりっぱなし」にしないための仕組みです。
できること(要点)
- 1on1の記録(音声→文字)をAIが分析
- 「相手の本音を引き出せているか?」
- 「信頼関係は深まっているか?」
を、専用Web画面でグラフ化して振り返る - 管理職×部下のセッション推移が見えるので、改善が“結果”として追える
重要なのは、AIが「評価」するためのツールではなく、
管理職が自分の関わり方を改善するための鏡だという点です。
5. センシティブだからこそ:Google Workspace内で完結させる
カウンセリングや1on1は、業務の話だけでなく、家庭・健康・人間関係・メンタルなど、センシティブな内容が出ます。
だからAUL 1on1 Supporterは、原則としてGoogle Workspace内で運用します。
- 保存場所が統一される
- 権限設計ができる(誰が見られるかが明確)
- 管理・監査の仕組みに載せやすい
- 変に外部サービスへ拡散しない
この「安心な置き場所」があるだけで、現場の心理的安全性は上がります。
そして皮肉ですが、安心がないと本音は増えません。
本音が増えないと、1on1は“確認作業”になります。
6. 追加ポイント:カウンセリング技法を知らない人がやりがちなこと(AIで検知する)
ここが、AUL 1on1 Supporterの実務上の強みです。
管理職がやりがちなNGは、だいたい次の2つに集約されます。
やりがちNG①:アドバイスする(早すぎる処方箋)
- 「それならこうしなよ」
- 「答えはこれじゃない?」
- 「次からこうして」
これ、部下が“求めている時”は助けになります。
でも、まだ本人の中で状況整理が済んでいない段階で出すと、内省を止めます。
やりがちNG②:答えを急ぐ(結論へ誘導する)
- 「で、結局どうしたいの?」
- 「じゃあ結論は?」
- 「次は何をやる?」
ビジネスでは大事な姿勢ですが、1on1の場でこれを早く出すと、
部下は“正解を当てに行くモード”になります。
AUL 1on1 Supporterがやること:禁止行為の検知 → 次の一手に落とす
AUL 1on1 Supporterでは、こうした 「アドバイス」「答えを急ぐ」などの禁止行為を検知し、振り返りに使える形にします。
ポイントは「ダメ出し」ではなく、改善の方向を明確にすること。
- 「この場面、相談者にどう問いを返せたか?」
- 「内省が進む言葉は何だったか?」
- 「沈黙を埋めるために喋っていなかったか?」
こうした観点で、セッションごとの傾向を見える化し、推移として改善を追えるようにします。
7. 続く理由:Ambient運用で、管理職が“書かない”
良いツールでも、続かなければ意味がありません。
AUL 1on1 Supporterは、いわゆる「毎回入力してください」がありません。
- Androidアプリ「音声文字変換&音検知通知」を使う
- Ambientツールとして自然に記録が残る
- 管理職はセッションごとに何かを書く必要がない
最初の「AIの準備」さえ終えれば、あとは日々のルーチンで回ります。
忙しい管理職でも、ここが現実的です。
まとめ:1on1を“管理職の善意”から“改善できる仕組み”へ
AUL 1on1 Supporterが目指すのは、1on1を「頑張り」ではなく「再現性」にすることです。
- センシティブだからGoogle Workspace内で安全に運用
- ロジャーズ的な関わりを軸に、本音と信頼の深まりを可視化
- アドバイス・答えを急ぐ等の禁止行為を検知し、改善に繋げる
- Ambient運用で、管理職は書かずに続けられる
明日から実践できるアクション
- 次の1on1で「解決」ではなく「内省」を目的にしてみる
- アドバイスしたくなったら、まず1回だけ問いを返す
- 例:「今いちばん引っかかってるのはどこ?」
- 面談の“良かった回/微妙だった回”を、推移で振り返る仕組みを作る(手作業でもOK)
