今週は、2026年度(令和8年度)の診療報酬・介護報酬・障害福祉サービス報酬の改定に向けた具体的な方針や骨子が相次いで示され、業界全体が大きな転換点にあることを示す1週間となりました。
1. 医療分野:Top 5トレンド
- 2026年度診療報酬改定の骨子了承
- 要約: 1月14日、中医協にて改定の骨子案が了承されました。物価高騰と賃上げへの対応を最優先事項とし、医療機関の経営安定化を図る方向性が明確になりました。
- 初診料・再診料および入院基本料の引き上げ
- 要約: 医療機関の基本料金となる初・再診料、および入院基本料の引き上げが決定。特に病院の経営難に配慮し、クリニックよりも病院側の増額が手厚くなる見通しです。
- 医療従事者の賃上げ目標「3.5%」の明記
- 要約: 看護師やリハビリ職などのコメディカル部門で年3.5%、事務職員等で5.7%のベースアップを実現するための財源配分が議論の柱となっています。
- 救急医療・ICU管理料の評価見直し
- 要約: 宿日直医の配置基準やICU内での勤務実態を反映した管理料の見直しが議論されており、より機能分化を促進する要件設定が進められています。
- 改定に向けたパブリックコメントと公聴会の開始
- 要約: 1月14日から改定案への意見公募が開始。現場の声を反映させる最終調整の段階に入り、2月の答申に向けた動きが加速しています。
2. 介護分野:Top 5トレンド
- 2026年度臨時介護報酬改定(2.03%引き上げ)
- 要約: 改定サイクル外の臨時措置として、2026年度に介護報酬を2.03%引き上げる方針が固まりました。主に職員の賃上げ原資としての活用が期待されています。
- ビジネスケアラーの遠距離介護実態(1/16発表)
- 要約: 仕事と介護を両立する「ビジネスケアラー」の調査結果が公開され、4人中3人が遠距離介護に不安を抱えている実態が判明。企業の支援体制が急務となっています。
- 処遇改善加算の対象範囲拡大(訪問看護・ケアマネ)
- 要約: これまで対象外だった訪問看護や居宅介護支援(ケアマネ)についても、臨時の処遇改善措置の対象に含める検討が進んでいます。
- 月額平均1万9000円の賃上げ目標
- 要約: 定期昇給分を含め、介護職員の給与を最大で月額1万9000円程度引き上げることを目指す具体的なシミュレーションが提示されました。
- 2027年度を見据えた「地域区分」の見直し議論
- 要約: 2026年度の臨時改定に続き、2027年度の本格改定に向けた地域区分(都市部と地方の報酬差)の適正化議論が開始されました。
3. 障がい福祉分野:Top 5トレンド
- 新規事業所の報酬引き下げ(2026年6月開始予定)
- 要約: 予算の急膨張を抑えるため、2026年6月以降に新設される事業所に限定して基本報酬を引き下げるという、前例のない「二階建て」の報酬体系が議論を呼んでいます。
- 処遇改善加算の「事務作業の煩雑さ」が課題に
- 要約: 厚労省の検討チームにて、3割以上の事業所が「事務が複雑すぎる」ことを理由に加算を申請していない実態が指摘。制度の簡素化を求める声が強まっています。
- 就労支援サービス(就労B・放デイ等)の算定ルール厳格化
- 要約: 不適切な運営を行う事業所を淘汰するため、就労支援などのサービスにおいて実績評価の基準をより厳しく設定する方向性が示されました。
- AT(支援技術)の費用対効果の可視化(1/16発表)
- 要約: 障害福祉×経済の新潮流として、アシスティブ・テクノロジー(AT)導入がもたらす経済的・社会的効果を映像化し、普及を促進するプロジェクトが注目されています。
- 制度の持続可能性と「質の担保」の議論
- 要約: 「量」の拡大から「質」の評価へ舵を切る中で、いかに良質な事業所を守りつつ制度を継続させるか、有識者会議で賛否両論の議論が続いています。
