医療・介護・障がい福祉分野トレンドワードTop5 2026年2月(2月9日〜2月13日) – AUL|Analyze U Lab

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医療・介護・障がい福祉分野トレンドワードTop5 2026年2月(2月9日〜2月13日)

医療福祉 週刊トレンドレポート(2026年2月9日〜2月13日調査)を作成いたしました。

今週は2月13日(金)に中央社会保険医療協議会(中医協)が厚生労働大臣へ「診療報酬改定答申」を行い、2026年6月の改定内容がほぼ全て確定するという、医療業界にとって歴史的な1週間となりました。


🏥 医療分野:Top 5トレンド

  1. 2026年度診療報酬「答申」:本体プラス3.09%の大幅増
    • 要約: 13日、2026年度診療報酬改定が答申されました。賃上げ(1.70%)と物価高対応(0.76%)に重点配分した「本体3.09%増」は、約30年ぶりの高水準。ただし、要件が厳格な「選別の改定」とも称されています。
  2. 初診・再診に「物価対応料(20円相当)」の新設
    • 要約: 光熱費や物件費の高騰を補填するため、基本診療料に上乗せ可能な「物価対応料(3点など)」が新設されます。令和9年6月からはさらに上乗せ幅を倍増させる段階的措置も盛り込まれました。
  3. 「地域包括医療病棟」の要件緩和と役割明確化
    • 要約: 高齢救急の受け皿として新設されたこの病棟について、リハビリや栄養管理を一体的に行う実態に合わせ、一部の厳しい施設基準が緩和されました。これにより、中小病院の参入が加速する見通しです。
  4. 急性期病院の再編:急性期A・Bの新設と点数設定
    • 要約: 高度急性期から一般急性期までの区分が再整理され、「急性期A(1930点)」などが新設。看護必要度や平均在院日数の基準が引き上げられ、経営効率が低い病院は厳しい局面を迎えます。
  5. 不妊治療「遠距離通院」への交通費補助(こども家庭庁)
    • 要約: 13日の発表で、通院に1時間以上かかる不妊治療患者の交通費を8割補助する方針が示されました。地域間の医療格差を「患者への直接支援」で埋める新しい動きです。

🏠 介護分野:Top 5トレンド

  1. 新「処遇改善加算」の最終利率が確定、訪問介護は28.7%へ
    • 要約: 今週、6月施行の介護報酬臨時改定の詳細が固まりました。特に経営難が続く訪問介護への配慮が強く、最大加算率は28.7%と他サービスを圧倒する引き上げ幅となりました。
  2. 月額最大1.9万円の賃上げスキームの全容公開
    • 要約: 定期昇給分を含め「月1.9万円」の賃上げを実現するための算定条件が明確化。ベースアップ(月額1万円分)を必須としつつ、生産性向上に取り組む事業所に追加配分する構造です。
  3. ケアマネ・訪問看護への「初」の処遇改善加算適用
    • 要約: これまで制度から取り残されていた居宅介護支援(ケアマネ)に対し、一律2.1%の加算が決定。多職種連携を維持するための「賃金の足並み揃え」が今週の大きなトピックでした。
  4. 「居住系サービス」における食費・光熱費の基準費用額引き上げ
    • 要約: 物価高を受け、施設入所者の食費等の自己負担限度額(基準費用額)が1日100円引き上げられます。施設の持ち出しを減らし、経営の持続可能性を担保します。
  5. 生産性向上ガイドラインの「最新版」配布開始
    • 要約: 加算取得の必須条件となる「生産性向上」について、見守りセンサー活用やインカム導入による具体的な成功事例をまとめた最新の手引きが公開されました。

♿ 障がい福祉分野:Top 5トレンド

  1. 「新設事業所」の基本報酬引き下げ(6月施行)の波紋
    • 要約: 4日の検討会報告を受け、今週は新設事業所(6月以降)の単価を一律で下げる方針に対し、業界団体から懸念の声が相次ぎました。供給過多な地域での「開設抑制」が現実味を帯びています。
  2. 就労継続支援B型:基本報酬区分の「基準額3000円」引き上げ
    • 要約: 平均工賃の向上に伴い、報酬区分のボーダーラインが3000円引き上げられます。努力して工賃を上げても、基準変更により報酬が下がる「中だるみ」を防ぐ経過措置も提示されました。
  3. 障害児通所支援:延長支援の「医療的ケア児」加算を拡充
    • 要約: 放課後等デイサービス等において、重症心身障がい児や医療的ケア児を預かる際の延長支援加算が大幅に手厚くなります。共働き世帯への支援を強化する狙いです。
  4. 報酬改定率「プラス1.84%」の内訳が議論
    • 要約: 臨時改定の1.84%増について、大部分を人件費に回す「処遇改善」としつつ、一部を物価高騰に伴う運営費に充てる配分バランスが今週の協議で焦点となりました。
  5. 「相談支援事業所」のICT活用による件数制限の緩和
    • 要約: 介護分野と同様、相談支援専門員の負担軽減を目的に、テレワークや電子署名を活用した場合の担当件数上限を緩和する方向で最終調整に入りました。

今週のまとめ:

今週は「2026年6月からの医療・介護・福祉の地図」が完成した週でした。 国は「30年ぶりのプラス改定」という強力な投資を行う一方で、それを受け取るには「賃上げへの100%転嫁」と「徹底した効率化」という、かつてないほど高いハードルを課しています。