「卒後の進路」は、単年の数字だけを見ると“その年の空気”に引っ張られがちです。
そこで今回は、令和5年度 → 令和6年度の差分を、全国(計)と北海道で比較しながら読み解きます。
ポイントはシンプル。
「増えた/減った」を見ると、現場の変化が見える
ただし、結論を急がず、まずは “何が動いたか” を丁寧に確認する。
(※令和5年度と令和6年度は表の表記が若干異なるため、HTMLコードでは両年度で共通に取れる指標に揃えて比較しています。)
1. まず全国(計):大きな構造はほぼ横ばい
全国の卒業者数は、
- 21,023人 → 20,641人(-382人)
全体の規模は少し縮みました。
全国の主要差分(令和5→令和6)
- 就職率:19.64% → 19.43%(-0.21pp)
- 福祉施設等割合:62.70% → 62.06%(-0.65pp)
- 大学等進学率:1.71% → 1.82%(+0.10pp)
- 無期雇用率(常用内):42.47% → 40.93%(-1.54pp)
ここから言えるのは、
全国全体では、卒後進路の“比率構造”は大きくは変わっていない
ただし、就職の「安定度(無期)」はやや下がっている
ということです。
2. 北海道:数字がしっかり動いている
北海道は全国と違い、差分がはっきり出ています。
卒業者数は、
- 1,172人 → 1,149人(-23人)
規模の変化は小さいのに、進路が動いているのが特徴です。
北海道の主要差分(令和5→令和6)
- 就職率:28.16% → 21.32%(-6.83pp)
- 就職者数(再掲):330人 → 245人(-85人)
- 福祉施設等割合:59.98% → 60.84%(+0.85pp)
- 福祉施設等人数:703人 → 699人(-4人)
- 大学等進学率:1.54% → 1.13%(-0.40pp)
- 無期雇用率(常用内):66.76% → 52.34%(-14.42pp)
ここ、誤解しやすいので言い方を整理します。
北海道は「福祉施設等が増えた」のではなく、
就職が減ったことで相対的に福祉の比率が上がった可能性が高い。
人数はほぼ横ばい(-4人)なのに、比率が上がっているのがその証拠です。
3. 北海道の本丸:無期雇用率が大きく下がった
今回の差分で、一番インパクトがあるのはここです。
- 無期雇用率(常用内):66.76% → 52.34%(-14.42pp)
- 無期雇用(b):247人 → 179人(-68人)
- 有期雇用:123人 → 163人(+40人)
つまり、
「就職が減った」だけではなく、
就職した人の雇用が “無期→有期” に寄った
という変化が見えています。
これは現場で体感されやすい変化です。
「就職に繋いだはいいけれど、継続の形が変わった」
そんな空気感が数字に出ている可能性があります。
4. まとめ:差分は“結論”ではなく“問い”を置くためにある
今回の差分から、整理できることは次の通りです。
全国(計)
- 大きな構造は横ばい
- ただし無期雇用率はやや低下
北海道
- 就職率が大きく低下(-6.83pp)
- 福祉施設等は人数はほぼ同じだが比率は上昇
- 無期雇用率が大きく低下(-14.42pp)
ここで大事なのは、
この数字は「北海道は悪化した」と断定する材料ではない
「北海道の接続がどこで変わったのか?」という問いを置く材料である
ということ。
5. 次に置くべき問い(現場で使えるやつ)
この差分を見たあと、現場で議論できる問いは例えばこうです。
- 令和6年度、就職の受け皿が減ったのか、それとも マッチングが変わったのか
- 無期雇用が減った理由は「企業側の雇用設計」なのか「支援側の接続」なのか
- 学校・支援機関・企業の接続ルートは、前年と比べてどう変わったか
- 「福祉施設等」へ戻る/移る動きが、前年より強まった背景は何か
差分は“答え”ではなく、観測結果。
ここから先は、人が判断するフェーズです。
…つまり、ここでもやっぱり DoX (Digital of eXperience)ですね。AIは観測、判断は人間。
令和5年度 → 令和6年度:卒後進路の差分(全国・北海道)
全国(計)
- 就職率:19.43%(前年差 -0.21pp)
- 福祉施設等割合:62.06%(前年差 -0.65pp)
- 無期雇用率(常用内):40.93%(前年差 -1.54pp)
- 大学等進学率:1.82%(前年差 +0.10pp)
北海道
- 就職率:21.32%(前年差 -6.83pp)
- 福祉施設等割合:60.84%(前年差 +0.85pp)
- 無期雇用率(常用内):52.34%(前年差 -14.42pp)
- 大学等進学率:1.13%(前年差 -0.40pp)
