夜間対応型訪問介護経営分析レポート
令和3年度決算〜令和6年度決算の4か年推移
出典:厚生労働省「第15表.xls」
対象:夜間対応型訪問介護/1施設・事業所当たり
単位:特記なき数値は 月額(決算額÷12)・円。比率は%。年額換算は本レポートによる×12の参考値。
有効回答数:令和3年度決算 70件 / 令和4年度決算 77件 / 令和5年度決算 65件 / 令和6年度決算 65件
エグゼクティブサマリー
本レポートは、厚生労働省「第15表.xls」に基づき、夜間対応型訪問介護1施設当たりの経営指標を令和3年度決算〜令和6年度決算の4か年推移で追跡したものである。読み取れる構造は次の点に集約される。
- 支出の伸びが収入の伸びを上回った。令和5年度決算から令和6年度決算に、収入は-0.9%、支出は1.9%増加しました。 費用増が収入増を上回っており、収支圧迫要因の費目別の特定が必要です。
- 差引は黒字を維持しているが縮小した。差引は213,196円/月、収入に対する比率は12.8%です。前年度比では-16.6%減少しました。 黒字は維持していますが縮小傾向にあり、要因を早めに特定して悪化を防ぐことが重要です。
- 補助金を含む差引は前年度から縮小した。補助金を含む差引は215,734円/月で、前年度から19.6%減少しました。 本業の差引に対する補助金の規模は約1%にとどまり、比較的自立した収支構造です。恒常収益での安定性は引き続き確認してください。
費用増が収入増を上回っており、差引比率12.8%はさらなる圧迫を受けるリスクがあります。収入内訳と費用費目を分けて原因を特定し、自施設との比較を優先してください。
1. 支出の伸びが収入の伸びを上回った
令和5年度決算から令和6年度決算に、収入は-0.9%、支出は1.9%増加しました。
| 科目(月額・円) | 令和3年度決算 | 令和4年度決算 | 令和5年度決算 | 令和6年度決算 | R初→直近変化 |
|---|---|---|---|---|---|
| 介護事業収益(小計) | 1,961,168 | 2,140,070 | 1,679,034 | 1,663,292 | -15.2% |
| 介護事業費用(小計) | 1,752,745 | 1,756,179 | 1,338,403 | 1,373,210 | -21.7% |
| 収支差額(差引ウ) | 73,654 | 212,883 | 255,615 | 213,196 | +189.5% |
| 収支差率(ウ) | 3.8% | 9.9% | 15.2% | 12.8% | +9.0pt |
費用増が収入増を上回っており、収支圧迫要因の費目別の特定が必要です。
2. 差引は黒字を維持しているが縮小した
差引は213,196円/月、収入に対する比率は12.8%です。前年度比では-16.6%減少しました。
| 指標(月額・円/%) | 令和3年度決算 | 令和4年度決算 | 令和5年度決算 | 令和6年度決算 |
|---|---|---|---|---|
| 収支差額(ウ・本業) | 73,654 | 212,883 | 255,615 | 213,196 |
| イ・ロ補助金計 | 1,581 | 2,099 | 12,849 | 2,537 |
| 差引(エ・補助金込み) | 75,236 | 214,982 | 268,463 | 215,734 |
| 収支差率(エ) | 3.8% | 10.0% | 15.9% | 12.9% |
黒字は維持していますが縮小傾向にあり、要因を早めに特定して悪化を防ぐことが重要です。
補助金を含む差引は前年度から縮小した:補助金を含む差引は215,734円/月で、前年度から19.6%減少しました。
本業の差引に対する補助金の規模は約1%にとどまり、比較的自立した収支構造です。恒常収益での安定性は引き続き確認してください。
3. 費用構造 ── 人件費と物価高の圧力
| 費用科目(月額・円) | 令和3年度決算 | 令和6年度決算 | 変化 |
|---|---|---|---|
| 給与費 | 1,503,499 | 1,241,276 | -17.4% |
| 減価償却費 | 11,566 | 5,296 | -54.2% |
| その他費用 | 238,192 | 126,960 | -46.7% |
費用構造では、給与費の伸び(-17.4%)とその他費用(委託費・水光熱等)の伸び(-46.7%)が並行して推移した。物価・エネルギー高騰が直接費用に波及した可能性に留意する必要がある。
4. 給与費比率が上昇し費用構造を圧迫
令和6年度決算の給与費比率は74.6%です。
| 常勤・1人当たり給与費(月額・円) | 令和3年度決算 | 令和6年度決算 | 変化 |
|---|---|---|---|
| 常勤換算職員1人当たり給与費(全体) | 361,441 | 383,489 | +6.1% |
| 介護福祉士(常勤) | 391,608 | 409,208 | +4.5% |
| 介護職員(常勤) | 377,810 | 375,989 | -0.5% |
| 指標 | 令和3年度決算 | 令和4年度決算 | 令和5年度決算 | 令和6年度決算 |
|---|---|---|---|---|
| 給与費比率 | 76.6% | 62.7% | 72.0% | 74.6% |
給与費比率の上昇が費用構造を圧迫しています。処遇改善の必要性と収益確保・生産性向上の両立を検討してください。
注意:本結果は回答施設の集計平均であり、個別施設の経営状態を直接示すものではありません。
5. 規模・生産性 ── 定員・職員数に変化
| 指標 | 令和3年度決算 | 令和6年度決算 | 変化 |
|---|---|---|---|
| 常勤換算職員数(人) | 4.3 | 3.4 | -20.9% |
夜間対応型訪問介護の令和3年度決算から令和6年度決算にかけて、常勤換算職員数は-20.9%変化した。収支の変動を評価する際は、この施設規模の変化と介護報酬・補助金単価・コスト構造の変化を分けて確認する必要がある。
主要指標 一覧表(月額・1施設当たり)
| 科目 | 令和3年度決算 | 令和4年度決算 | 令和5年度決算 | 令和6年度決算 |
|---|---|---|---|---|
| 【収支】 | ||||
| 介護事業収益(小計) | 1,961,168 | 2,140,070 | 1,679,034 | 1,663,292 |
| 介護事業費用(小計) | 1,752,745 | 1,756,179 | 1,338,403 | 1,373,210 |
| 収支差額(ウ) | 73,654 | 212,883 | 255,615 | 213,196 |
| 収支差率(ウ) | 3.8% | 9.9% | 15.2% | 12.8% |
| 差引(エ・補助金込み) | 75,236 | 214,982 | 268,463 | 215,734 |
| 収支差率(エ) | 3.8% | 10.0% | 15.9% | 12.9% |
| 【費用内訳】 | ||||
| 給与費 | 1,503,499 | 1,342,105 | 1,208,675 | 1,241,276 |
| 給与費比率 | 76.6% | 62.7% | 72.0% | 74.6% |
| 減価償却費 | 11,566 | 13,131 | 5,887 | 5,296 |
| その他費用 | 238,192 | 401,923 | 124,198 | 126,960 |
| 【収益内訳】 | ||||
| 介護料収入 | 1,947,285 | 2,109,244 | 1,662,711 | 1,643,275 |
| 利用者等利用料収入 | 6,564 | 20,479 | 17,292 | 7,535 |
| 補助金収入(イ・ロ除く) | 7,511 | 10,464 | 1,002 | 12,704 |
| イ・ロ補助金計 | 1,581 | 2,099 | 12,849 | 2,537 |
| 【人件費・処遇】 | ||||
| 常勤換算職員1人当たり給与費 | 361,441 | 360,525 | 383,489 | 383,489 |
| 介護福祉士 給与費(常勤) | 391,608 | 384,517 | 409,208 | 409,208 |
| 介護職員 給与費(常勤) | 377,810 | 371,794 | 375,989 | 375,989 |
| 【規模・運営】 | ||||
| 常勤換算職員数(人) | 4.3 | 4.2 | 3.4 | 3.4 |
| 有効回答数 | 70 | 77 | 65 | 65 |
経営・政策インプリケーション
- 自施設の月額収入・支出・差引比率を同じ定義で算出し、集計平均と比較する。
- 収入の増減を介護料、利用料、補助金に分け、恒常収益の伸びを確認する。
- 給与費は削減額だけで判断せず、利用者数、職員数、加算取得、1人当たり指標と併記する。
- 単年度平均だけで結論を出さず、月次推移と施設類型・規模別比較を追加する。
注記・出典
- 本結果は回答施設の集計平均であり、個別施設の経営状態を直接示すものではありません。
- 各金額は決算額を12で除した月額で、表章単位未満の丸めにより内訳が一致しない場合があります。
- 年度間の差は要因の存在を示しますが、制度改定や人員配置などの因果関係までは特定できません。
- 最新年度の有効回答数は65件です。母集団への代表性は別途確認が必要です。
原典:厚生労働省「第15表.xls」
作成:AUL(aul-dox.jp)/本レポートは公的統計を分析・可視化した二次的著作物であり、数値の正確性は原典に依拠する。
生成日時: 2026-07-20 17:08