定期巡回・随時対応型訪問介護看護経営分析レポート
令和3年度決算〜令和6年度決算の4か年推移
出典:厚生労働省「第14表.xls」
対象:定期巡回・随時対応型訪問介護看護/1施設・事業所当たり
単位:特記なき数値は 月額(決算額÷12)・円。比率は%。年額換算は本レポートによる×12の参考値。
有効回答数:令和3年度決算 389件 / 令和4年度決算 483件 / 令和5年度決算 427件 / 令和6年度決算 427件
エグゼクティブサマリー
本レポートは、厚生労働省「第14表.xls」に基づき、定期巡回・随時対応型訪問介護看護1施設当たりの経営指標を令和3年度決算〜令和6年度決算の4か年推移で追跡したものである。読み取れる構造は次の点に集約される。
- 支出の伸びが収入の伸びを上回った。令和5年度決算から令和6年度決算に、収入は2.5%、支出は4.0%増加しました。 費用増が収入増を上回っており、収支圧迫要因の費目別の特定が必要です。
- 差引は黒字を維持しているが縮小した。差引は825,247円/月、収入に対する比率は13.4%です。前年度比では-6.1%減少しました。 黒字は維持していますが縮小傾向にあり、要因を早めに特定して悪化を防ぐことが重要です。
- 補助金を含む差引は前年度から縮小した。補助金を含む差引は831,006円/月で、前年度から6.7%減少しました。 本業の差引に対する補助金の規模は約1%にとどまり、比較的自立した収支構造です。恒常収益での安定性は引き続き確認してください。
費用増が収入増を上回っており、差引比率13.4%はさらなる圧迫を受けるリスクがあります。収入内訳と費用費目を分けて原因を特定し、自施設との比較を優先してください。
1. 支出の伸びが収入の伸びを上回った
令和5年度決算から令和6年度決算に、収入は2.5%、支出は4.0%増加しました。
| 科目(月額・円) | 令和3年度決算 | 令和4年度決算 | 令和5年度決算 | 令和6年度決算 | R初→直近変化 |
|---|---|---|---|---|---|
| 介護事業収益(小計) | 5,700,613 | 5,233,304 | 6,010,122 | 6,168,071 | +8.2% |
| 介護事業費用(小計) | 4,978,142 | 4,483,389 | 4,932,211 | 5,124,878 | +2.9% |
| 収支差額(差引ウ) | 462,733 | 574,601 | 879,010 | 825,247 | +78.3% |
| 収支差率(ウ) | 8.1% | 11.0% | 14.6% | 13.4% | +5.3pt |
費用増が収入増を上回っており、収支圧迫要因の費目別の特定が必要です。
2. 差引は黒字を維持しているが縮小した
差引は825,247円/月、収入に対する比率は13.4%です。前年度比では-6.1%減少しました。
| 指標(月額・円/%) | 令和3年度決算 | 令和4年度決算 | 令和5年度決算 | 令和6年度決算 |
|---|---|---|---|---|
| 収支差額(ウ・本業) | 462,733 | 574,601 | 879,010 | 825,247 |
| イ・ロ補助金計 | 5,801 | 11,536 | 11,789 | 5,759 |
| 差引(エ・補助金込み) | 468,533 | 586,137 | 890,799 | 831,006 |
| 収支差率(エ) | 8.2% | 11.2% | 14.8% | 13.4% |
黒字は維持していますが縮小傾向にあり、要因を早めに特定して悪化を防ぐことが重要です。
補助金を含む差引は前年度から縮小した:補助金を含む差引は831,006円/月で、前年度から6.7%減少しました。
本業の差引に対する補助金の規模は約1%にとどまり、比較的自立した収支構造です。恒常収益での安定性は引き続き確認してください。
3. 費用構造 ── 人件費と物価高の圧力
| 費用科目(月額・円) | 令和3年度決算 | 令和6年度決算 | 変化 |
|---|---|---|---|
| 給与費 | 4,479,259 | 4,544,336 | +1.5% |
| 減価償却費 | 47,996 | 44,726 | -6.8% |
| その他費用 | 457,800 | 539,406 | +17.8% |
費用構造では、給与費の伸び(+1.5%)とその他費用(委託費・水光熱等)の伸び(+17.8%)が並行して推移した。物価・エネルギー高騰が直接費用に波及した可能性に留意する必要がある。
4. 給与費が費用構造の中心
令和6年度決算の給与費比率は73.6%です。
| 常勤・1人当たり給与費(月額・円) | 令和3年度決算 | 令和6年度決算 | 変化 |
|---|---|---|---|
| 常勤換算職員1人当たり給与費(全体) | 342,821 | 376,637 | +9.9% |
| 介護福祉士(常勤) | 357,260 | 383,053 | +7.2% |
| 介護職員(常勤) | 343,788 | 372,060 | +8.2% |
| 看護師(常勤) | 428,700 | 461,297 | +7.6% |
| 指標 | 令和3年度決算 | 令和4年度決算 | 令和5年度決算 | 令和6年度決算 |
|---|---|---|---|---|
| 給与費比率 | 78.5% | 73.4% | 72.6% | 73.6% |
単純な人件費削減ではなく、配置、稼働、加算取得、職員1人当たり指標を合わせて検討すべきです。
注意:本結果は回答施設の集計平均であり、個別施設の経営状態を直接示すものではありません。
5. 規模・生産性 ── 定員・職員数に変化
| 指標 | 令和3年度決算 | 令和6年度決算 | 変化 |
|---|---|---|---|
| 実利用者数(人) | 32.9 | 46.8 | +42.2% |
| 常勤換算職員数(人) | 13.4 | 11.6 | -13.4% |
| 実利用者1人当たり収入(円) | 173,113 | 132,011 | -23.7% |
| 実利用者1人当たり支出(円) | 159,066 | 114,369 | -28.1% |
定期巡回・随時対応型訪問介護看護の令和3年度決算から令和6年度決算にかけて、常勤換算職員数は-13.4%変化した。収支の変動を評価する際は、この施設規模の変化と介護報酬・補助金単価・コスト構造の変化を分けて確認する必要がある。
主要指標 一覧表(月額・1施設当たり)
| 科目 | 令和3年度決算 | 令和4年度決算 | 令和5年度決算 | 令和6年度決算 |
|---|---|---|---|---|
| 【収支】 | ||||
| 介護事業収益(小計) | 5,700,613 | 5,233,304 | 6,010,122 | 6,168,071 |
| 介護事業費用(小計) | 4,978,142 | 4,483,389 | 4,932,211 | 5,124,878 |
| 収支差額(ウ) | 462,733 | 574,601 | 879,010 | 825,247 |
| 収支差率(ウ) | 8.1% | 11.0% | 14.6% | 13.4% |
| 差引(エ・補助金込み) | 468,533 | 586,137 | 890,799 | 831,006 |
| 収支差率(エ) | 8.2% | 11.2% | 14.8% | 13.4% |
| 【費用内訳】 | ||||
| 給与費 | 4,479,259 | 3,845,603 | 4,374,001 | 4,544,336 |
| 給与費比率 | 78.5% | 73.4% | 72.6% | 73.6% |
| 減価償却費 | 47,996 | 49,635 | 41,068 | 44,726 |
| その他費用 | 457,800 | 597,251 | 522,469 | 539,406 |
| 【収益内訳】 | ||||
| 介護料収入 | 5,668,051 | 5,143,754 | 5,920,310 | 6,070,001 |
| 利用者等利用料収入 | 31,223 | 48,232 | 61,393 | 61,644 |
| 補助金収入(イ・ロ除く) | 2,799 | 42,473 | 33,701 | 47,409 |
| イ・ロ補助金計 | 5,801 | 11,536 | 11,789 | 5,759 |
| 【人件費・処遇】 | ||||
| 常勤換算職員1人当たり給与費 | 342,821 | 354,032 | 376,637 | 376,637 |
| 介護福祉士 給与費(常勤) | 357,260 | 374,264 | 383,053 | 383,053 |
| 介護職員 給与費(常勤) | 343,788 | 356,978 | 372,060 | 372,060 |
| 看護師 給与費(常勤) | 428,700 | 394,460 | 461,297 | 461,297 |
| 【規模・運営】 | ||||
| 実利用者数(人) | 32.9 | 30.0 | 46.8 | 46.8 |
| 常勤換算職員数(人) | 13.4 | 10.1 | 11.6 | 11.6 |
| 実利用者1人当たり収入(補助金除く) | 173,113 | 174,787 | 132,011 | 132,011 |
| 実利用者1人当たり支出 | 159,066 | 155,620 | 114,369 | 114,369 |
| 有効回答数 | 389 | 483 | 427 | 427 |
経営・政策インプリケーション
- 自施設の月額収入・支出・差引比率を同じ定義で算出し、集計平均と比較する。
- 収入の増減を介護料、利用料、補助金に分け、恒常収益の伸びを確認する。
- 給与費は削減額だけで判断せず、利用者数、職員数、加算取得、1人当たり指標と併記する。
- 単年度平均だけで結論を出さず、月次推移と施設類型・規模別比較を追加する。
注記・出典
- 本結果は回答施設の集計平均であり、個別施設の経営状態を直接示すものではありません。
- 各金額は決算額を12で除した月額で、表章単位未満の丸めにより内訳が一致しない場合があります。
- 年度間の差は要因の存在を示しますが、制度改定や人員配置などの因果関係までは特定できません。
- 最新年度の有効回答数は427件です。母集団への代表性は別途確認が必要です。
原典:厚生労働省「第14表.xls」
作成:AUL(aul-dox.jp)/本レポートは公的統計を分析・可視化した二次的著作物であり、数値の正確性は原典に依拠する。
生成日時: 2026-07-20 17:08