居宅介護支援経営分析レポート
令和3年度決算〜令和6年度決算の4か年推移
出典:厚生労働省「第13表.xls」
対象:居宅介護支援/1施設・事業所当たり
単位:特記なき数値は 月額(決算額÷12)・円。比率は%。年額換算は本レポートによる×12の参考値。
有効回答数:令和3年度決算 590件 / 令和4年度決算 781件 / 令和5年度決算 507件 / 令和6年度決算 507件
エグゼクティブサマリー
本レポートは、厚生労働省「第13表.xls」に基づき、居宅介護支援1施設当たりの経営指標を令和3年度決算〜令和6年度決算の4か年推移で追跡したものである。読み取れる構造は次の点に集約される。
- 収入の伸びが支出の伸びを上回った。令和5年度決算から令和6年度決算に、収入は1.4%、支出は1.4%増加しました。 本業の収支改善方向は確認できますが、伸び率の差は小さく継続確認が必要です。
- 差引は相対的に安定した水準にある。差引は88,596円/月、収入に対する比率は6.2%です。前年度比では2.7%増加しました。 現時点で大きな懸念はありませんが、費用構造の変化を継続的に確認し、余力を過信しないことが重要です。
- 補助金を含む差引は前年度から拡大した。補助金を含む差引は90,200円/月で、前年度から0.5%増加しました。 本業の差引に対する補助金の規模は約2%にとどまり、比較的自立した収支構造です。恒常収益での安定性は引き続き確認してください。
収支は改善方向ですが、差引比率6.2%は厚い余力とはいえません。まず自施設の同一定義の数値と比較し、収入確保、費用増、補助金影響を分けて確認してください。
1. 収入の伸びが支出の伸びを上回った
令和5年度決算から令和6年度決算に、収入は1.4%、支出は1.4%増加しました。
| 科目(月額・円) | 令和3年度決算 | 令和4年度決算 | 令和5年度決算 | 令和6年度決算 | R初→直近変化 |
|---|---|---|---|---|---|
| 介護事業収益(小計) | 1,254,782 | 1,351,358 | 1,400,317 | 1,420,266 | +13.2% |
| 介護事業費用(小計) | 1,184,653 | 1,264,433 | 1,284,784 | 1,302,751 | +10.0% |
| 収支差額(差引ウ) | 46,279 | 65,734 | 86,287 | 88,596 | +91.4% |
| 収支差率(ウ) | 3.7% | 4.9% | 6.2% | 6.2% | +2.5pt |
本業の収支改善方向は確認できますが、伸び率の差は小さく継続確認が必要です。
2. 差引は相対的に安定した水準にある
差引は88,596円/月、収入に対する比率は6.2%です。前年度比では2.7%増加しました。
| 指標(月額・円/%) | 令和3年度決算 | 令和4年度決算 | 令和5年度決算 | 令和6年度決算 |
|---|---|---|---|---|
| 収支差額(ウ・本業) | 46,279 | 65,734 | 86,287 | 88,596 |
| イ・ロ補助金計 | 3,680 | 2,978 | 3,498 | 1,604 |
| 差引(エ・補助金込み) | 49,959 | 68,712 | 89,785 | 90,200 |
| 収支差率(エ) | 4.0% | 5.1% | 6.4% | 6.3% |
現時点で大きな懸念はありませんが、費用構造の変化を継続的に確認し、余力を過信しないことが重要です。
補助金を含む差引は前年度から拡大した:補助金を含む差引は90,200円/月で、前年度から0.5%増加しました。
本業の差引に対する補助金の規模は約2%にとどまり、比較的自立した収支構造です。恒常収益での安定性は引き続き確認してください。
3. 費用構造 ── 人件費と物価高の圧力
| 費用科目(月額・円) | 令和3年度決算 | 令和6年度決算 | 変化 |
|---|---|---|---|
| 給与費 | 983,668 | 1,083,949 | +10.2% |
| 減価償却費 | 17,416 | 21,382 | +22.8% |
| その他費用 | 184,865 | 200,036 | +8.2% |
費用構造では、給与費の伸び(+10.2%)とその他費用(委託費・水光熱等)の伸び(+8.2%)が並行して推移した。物価・エネルギー高騰が直接費用に波及した可能性に留意する必要がある。
4. 給与費が費用構造の中心
令和6年度決算の給与費比率は76.2%です。
| 常勤・1人当たり給与費(月額・円) | 令和3年度決算 | 令和6年度決算 | 変化 |
|---|---|---|---|
| 常勤換算職員1人当たり給与費(全体) | 370,625 | 418,690 | +13.0% |
| 指標 | 令和3年度決算 | 令和4年度決算 | 令和5年度決算 | 令和6年度決算 |
|---|---|---|---|---|
| 給与費比率 | 78.3% | 76.9% | 76.5% | 76.2% |
単純な人件費削減ではなく、配置、稼働、加算取得、職員1人当たり指標を合わせて検討すべきです。
注意:本結果は回答施設の集計平均であり、個別施設の経営状態を直接示すものではありません。
5. 規模・生産性 ── 定員・職員数に変化
| 指標 | 令和3年度決算 | 令和6年度決算 | 変化 |
|---|---|---|---|
| 実利用者数(人) | 98.8 | 116.5 | +17.9% |
| 常勤換算職員数(人) | 2.7 | 2.6 | -3.7% |
| 実利用者1人当たり収入(円) | 12,710 | 12,206 | -4.0% |
| 実利用者1人当たり支出(円) | 12,241 | 11,445 | -6.5% |
居宅介護支援の令和3年度決算から令和6年度決算にかけて、常勤換算職員数は-3.7%変化した。収支の変動を評価する際は、この施設規模の変化と介護報酬・補助金単価・コスト構造の変化を分けて確認する必要がある。
主要指標 一覧表(月額・1施設当たり)
| 科目 | 令和3年度決算 | 令和4年度決算 | 令和5年度決算 | 令和6年度決算 |
|---|---|---|---|---|
| 【収支】 | ||||
| 介護事業収益(小計) | 1,254,782 | 1,351,358 | 1,400,317 | 1,420,266 |
| 介護事業費用(小計) | 1,184,653 | 1,264,433 | 1,284,784 | 1,302,751 |
| 収支差額(ウ) | 46,279 | 65,734 | 86,287 | 88,596 |
| 収支差率(ウ) | 3.7% | 4.9% | 6.2% | 6.2% |
| 差引(エ・補助金込み) | 49,959 | 68,712 | 89,785 | 90,200 |
| 収支差率(エ) | 4.0% | 5.1% | 6.4% | 6.3% |
| 【費用内訳】 | ||||
| 給与費 | 983,668 | 1,039,464 | 1,072,639 | 1,083,949 |
| 給与費比率 | 78.3% | 76.9% | 76.5% | 76.2% |
| 減価償却費 | 17,416 | 20,062 | 20,460 | 21,382 |
| その他費用 | 184,865 | 206,419 | 194,237 | 200,036 |
| 【収益内訳】 | ||||
| 介護料収入 | 1,255,077 | 1,350,213 | 1,396,856 | 1,415,989 |
| 補助金収入(イ・ロ除く) | 565 | 1,278 | 3,832 | 4,717 |
| イ・ロ補助金計 | 3,680 | 2,978 | 3,498 | 1,604 |
| 【人件費・処遇】 | ||||
| 常勤換算職員1人当たり給与費 | 370,625 | 382,219 | 418,690 | 418,690 |
| 【規模・運営】 | ||||
| 実利用者数(人) | 98.8 | 104.7 | 116.5 | 116.5 |
| 常勤換算職員数(人) | 2.7 | 2.6 | 2.6 | 2.6 |
| 実利用者1人当たり収入(補助金除く) | 12,710 | 12,915 | 12,206 | 12,206 |
| 実利用者1人当たり支出 | 12,241 | 12,287 | 11,445 | 11,445 |
| 有効回答数 | 590 | 781 | 507 | 507 |
経営・政策インプリケーション
- 自施設の月額収入・支出・差引比率を同じ定義で算出し、集計平均と比較する。
- 収入の増減を介護料、利用料、補助金に分け、恒常収益の伸びを確認する。
- 給与費は削減額だけで判断せず、利用者数、職員数、加算取得、1人当たり指標と併記する。
- 単年度平均だけで結論を出さず、月次推移と施設類型・規模別比較を追加する。
注記・出典
- 本結果は回答施設の集計平均であり、個別施設の経営状態を直接示すものではありません。
- 各金額は決算額を12で除した月額で、表章単位未満の丸めにより内訳が一致しない場合があります。
- 年度間の差は要因の存在を示しますが、制度改定や人員配置などの因果関係までは特定できません。
- 最新年度の有効回答数は507件です。母集団への代表性は別途確認が必要です。
原典:厚生労働省「第13表.xls」
作成:AUL(aul-dox.jp)/本レポートは公的統計を分析・可視化した二次的著作物であり、数値の正確性は原典に依拠する。
生成日時: 2026-07-20 17:08