福祉用具貸与経営分析レポート
令和3年度決算〜令和6年度決算の4か年推移
出典:厚生労働省「第12表.xls」
対象:福祉用具貸与/1施設・事業所当たり
単位:特記なき数値は 月額(決算額÷12)・円。比率は%。年額換算は本レポートによる×12の参考値。
有効回答数:令和3年度決算 134件 / 令和4年度決算 1,242件 / 令和5年度決算 138件 / 令和6年度決算 138件
エグゼクティブサマリー
本レポートは、厚生労働省「第12表.xls」に基づき、福祉用具貸与1施設当たりの経営指標を令和3年度決算〜令和6年度決算の4か年推移で追跡したものである。読み取れる構造は次の点に集約される。
- 支出の伸びが収入の伸びを上回った。令和5年度決算から令和6年度決算に、収入は2.8%、支出は3.1%増加しました。 費用増が収入増を上回っており、収支圧迫要因の費目別の特定が必要です。
- 差引は黒字を維持しているが縮小した。差引は376,022円/月、収入に対する比率は5.4%です。前年度比では-1.7%減少しました。 黒字は維持していますが縮小傾向にあり、要因を早めに特定して悪化を防ぐことが重要です。
- 補助金を含む差引は前年度から縮小した。補助金を含む差引は378,009円/月で、前年度から1.8%減少しました。 本業の差引に対する補助金の規模は約0%にとどまり、比較的自立した収支構造です。恒常収益での安定性は引き続き確認してください。
費用増が収入増を上回っており、差引比率5.4%はさらなる圧迫を受けるリスクがあります。収入内訳と費用費目を分けて原因を特定し、自施設との比較を優先してください。
1. 支出の伸びが収入の伸びを上回った
令和5年度決算から令和6年度決算に、収入は2.8%、支出は3.1%増加しました。
| 科目(月額・円) | 令和3年度決算 | 令和4年度決算 | 令和5年度決算 | 令和6年度決算 | R初→直近変化 |
|---|---|---|---|---|---|
| 介護事業収益(小計) | 6,860,830 | 6,132,853 | 6,718,852 | 6,904,914 | +0.6% |
| 介護事業費用(小計) | 6,329,280 | 5,487,200 | 5,984,092 | 6,170,457 | -2.5% |
| 収支差額(差引ウ) | 234,692 | 391,099 | 382,375 | 376,022 | +60.2% |
| 収支差率(ウ) | 3.4% | 6.4% | 5.7% | 5.4% | +2.0pt |
費用増が収入増を上回っており、収支圧迫要因の費目別の特定が必要です。
2. 差引は黒字を維持しているが縮小した
差引は376,022円/月、収入に対する比率は5.4%です。前年度比では-1.7%減少しました。
| 指標(月額・円/%) | 令和3年度決算 | 令和4年度決算 | 令和5年度決算 | 令和6年度決算 |
|---|---|---|---|---|
| 収支差額(ウ・本業) | 234,692 | 391,099 | 382,375 | 376,022 |
| イ・ロ補助金計 | 1,574 | 4,442 | 2,458 | 1,988 |
| 差引(エ・補助金込み) | 236,266 | 395,541 | 384,833 | 378,009 |
| 収支差率(エ) | 3.4% | 6.4% | 5.7% | 5.5% |
黒字は維持していますが縮小傾向にあり、要因を早めに特定して悪化を防ぐことが重要です。
補助金を含む差引は前年度から縮小した:補助金を含む差引は378,009円/月で、前年度から1.8%減少しました。
本業の差引に対する補助金の規模は約0%にとどまり、比較的自立した収支構造です。恒常収益での安定性は引き続き確認してください。
3. 費用構造 ── 人件費と物価高の圧力
| 費用科目(月額・円) | 令和3年度決算 | 令和6年度決算 | 変化 |
|---|---|---|---|
| 給与費 | 2,645,631 | 2,180,253 | -17.6% |
| 減価償却費 | 470,833 | 142,363 | -69.8% |
| その他費用 | 3,212,816 | 3,847,842 | +19.8% |
費用構造では、給与費の伸び(-17.6%)とその他費用(委託費・水光熱等)の伸び(+19.8%)が並行して推移した。物価・エネルギー高騰が直接費用に波及した可能性に留意する必要がある。
4. 給与費が費用構造の中心
令和6年度決算の給与費比率は31.5%です。
| 常勤・1人当たり給与費(月額・円) | 令和3年度決算 | 令和6年度決算 | 変化 |
|---|---|---|---|
| 常勤換算職員1人当たり給与費(全体) | 376,280 | 408,465 | +8.6% |
| 指標 | 令和3年度決算 | 令和4年度決算 | 令和5年度決算 | 令和6年度決算 |
|---|---|---|---|---|
| 給与費比率 | 38.5% | 35.3% | 31.1% | 31.5% |
単純な人件費削減ではなく、配置、稼働、加算取得、職員1人当たり指標を合わせて検討すべきです。
注意:本結果は回答施設の集計平均であり、個別施設の経営状態を直接示すものではありません。
5. 規模・生産性 ── 定員・職員数に変化
| 指標 | 令和3年度決算 | 令和6年度決算 | 変化 |
|---|---|---|---|
| 実利用者数(人) | 463.8 | 526.8 | +13.6% |
| 常勤換算職員数(人) | 6.3 | 5.1 | -19.0% |
| 実利用者1人当たり収入(円) | 14,810 | 13,117 | -11.4% |
| 実利用者1人当たり支出(円) | 14,304 | 12,403 | -13.3% |
福祉用具貸与の令和3年度決算から令和6年度決算にかけて、常勤換算職員数は-19.0%変化した。収支の変動を評価する際は、この施設規模の変化と介護報酬・補助金単価・コスト構造の変化を分けて確認する必要がある。
主要指標 一覧表(月額・1施設当たり)
| 科目 | 令和3年度決算 | 令和4年度決算 | 令和5年度決算 | 令和6年度決算 |
|---|---|---|---|---|
| 【収支】 | ||||
| 介護事業収益(小計) | 6,860,830 | 6,132,853 | 6,718,852 | 6,904,914 |
| 介護事業費用(小計) | 6,329,280 | 5,487,200 | 5,984,092 | 6,170,457 |
| 収支差額(ウ) | 234,692 | 391,099 | 382,375 | 376,022 |
| 収支差率(ウ) | 3.4% | 6.4% | 5.7% | 5.4% |
| 差引(エ・補助金込み) | 236,266 | 395,541 | 384,833 | 378,009 |
| 収支差率(エ) | 3.4% | 6.4% | 5.7% | 5.5% |
| 【費用内訳】 | ||||
| 給与費 | 2,645,631 | 2,163,489 | 2,088,733 | 2,180,253 |
| 給与費比率 | 38.5% | 35.3% | 31.1% | 31.5% |
| 減価償却費 | 470,833 | 232,175 | 145,155 | 142,363 |
| その他費用 | 3,212,816 | 3,091,643 | 3,750,204 | 3,847,842 |
| 【収益内訳】 | ||||
| 介護料収入 | 6,405,725 | 5,572,735 | 6,343,883 | 6,559,600 |
| 利用者等利用料収入 | 447,622 | 551,469 | 374,740 | 345,130 |
| 補助金収入(イ・ロ除く) | 7,494 | 8,839 | 229 | 226 |
| イ・ロ補助金計 | 1,574 | 4,442 | 2,458 | 1,988 |
| 【人件費・処遇】 | ||||
| 常勤換算職員1人当たり給与費 | 376,280 | 372,900 | 408,465 | 408,465 |
| 【規模・運営】 | ||||
| 実利用者数(人) | 463.8 | 434.1 | 526.8 | 526.8 |
| 常勤換算職員数(人) | 6.3 | 5.9 | 5.1 | 5.1 |
| 実利用者1人当たり収入(補助金除く) | 14,810 | 14,137 | 13,117 | 13,117 |
| 実利用者1人当たり支出 | 14,304 | 13,236 | 12,403 | 12,403 |
| 有効回答数 | 134 | 1,242 | 138 | 138 |
経営・政策インプリケーション
- 自施設の月額収入・支出・差引比率を同じ定義で算出し、集計平均と比較する。
- 収入の増減を介護料、利用料、補助金に分け、恒常収益の伸びを確認する。
- 給与費は削減額だけで判断せず、利用者数、職員数、加算取得、1人当たり指標と併記する。
- 単年度平均だけで結論を出さず、月次推移と施設類型・規模別比較を追加する。
注記・出典
- 本結果は回答施設の集計平均であり、個別施設の経営状態を直接示すものではありません。
- 各金額は決算額を12で除した月額で、表章単位未満の丸めにより内訳が一致しない場合があります。
- 年度間の差は要因の存在を示しますが、制度改定や人員配置などの因果関係までは特定できません。
- 最新年度の有効回答数は138件です。母集団への代表性は別途確認が必要です。
原典:厚生労働省「第12表.xls」
作成:AUL(aul-dox.jp)/本レポートは公的統計を分析・可視化した二次的著作物であり、数値の正確性は原典に依拠する。
生成日時: 2026-07-20 17:08