短期入所生活介護経営分析レポート
令和3年度決算〜令和6年度決算の4か年推移
出典:厚生労働省「第10表.xls」
対象:短期入所生活介護/1施設・事業所当たり
単位:特記なき数値は 月額(決算額÷12)・円。比率は%。年額換算は本レポートによる×12の参考値。
有効回答数:令和3年度決算 341件 / 令和4年度決算 784件 / 令和5年度決算 294件 / 令和6年度決算 294件
エグゼクティブサマリー
本レポートは、厚生労働省「第10表.xls」に基づき、短期入所生活介護1施設当たりの経営指標を令和3年度決算〜令和6年度決算の4か年推移で追跡したものである。読み取れる構造は次の点に集約される。
- 支出の伸びが収入の伸びを上回った。令和5年度決算から令和6年度決算に、収入は0.7%、支出は2.2%増加しました。 費用増が収入増を上回っており、収支圧迫要因の費目別の特定が必要です。
- 差引の水準と余裕度。差引は130,354円/月、収入に対する比率は2.7%です。前年度比では-33.6%減少しました。 小幅な収入減や費用増で赤字化し得る水準として、余力を過大評価しないことが重要です。
- 補助金を含む差引は前年度から縮小した。補助金を含む差引は141,172円/月で、前年度から36.0%減少しました。 本業の差引に対する補助金の規模は約8%にとどまり、比較的自立した収支構造です。恒常収益での安定性は引き続き確認してください。
費用増が収入増を上回っており、差引比率2.7%はさらなる圧迫を受けるリスクがあります。収入内訳と費用費目を分けて原因を特定し、自施設との比較を優先してください。
1. 支出の伸びが収入の伸びを上回った
令和5年度決算から令和6年度決算に、収入は0.7%、支出は2.2%増加しました。
| 科目(月額・円) | 令和3年度決算 | 令和4年度決算 | 令和5年度決算 | 令和6年度決算 | R初→直近変化 |
|---|---|---|---|---|---|
| 介護事業収益(小計) | 4,528,746 | 4,683,713 | 4,759,778 | 4,797,128 | +5.9% |
| 介護事業費用(小計) | 4,317,776 | 4,499,033 | 4,484,312 | 4,580,081 | +6.1% |
| 収支差額(差引ウ) | 144,708 | 120,840 | 196,267 | 130,354 | -9.9% |
| 収支差率(ウ) | 3.2% | 2.6% | 4.1% | 2.7% | -0.5pt |
費用増が収入増を上回っており、収支圧迫要因の費目別の特定が必要です。
2. 差引の水準と余裕度
差引は130,354円/月、収入に対する比率は2.7%です。前年度比では-33.6%減少しました。
| 指標(月額・円/%) | 令和3年度決算 | 令和4年度決算 | 令和5年度決算 | 令和6年度決算 |
|---|---|---|---|---|
| 収支差額(ウ・本業) | 144,708 | 120,840 | 196,267 | 130,354 |
| イ・ロ補助金計 | 6,052 | 37,325 | 24,334 | 10,818 |
| 差引(エ・補助金込み) | 150,760 | 158,165 | 220,601 | 141,172 |
| 収支差率(エ) | 3.3% | 3.3% | 4.6% | 2.9% |
小幅な収入減や費用増で赤字化し得る水準として、余力を過大評価しないことが重要です。
補助金を含む差引は前年度から縮小した:補助金を含む差引は141,172円/月で、前年度から36.0%減少しました。
本業の差引に対する補助金の規模は約8%にとどまり、比較的自立した収支構造です。恒常収益での安定性は引き続き確認してください。
3. 費用構造 ── 人件費と物価高の圧力
| 費用科目(月額・円) | 令和3年度決算 | 令和6年度決算 | 変化 |
|---|---|---|---|
| 給与費 | 2,889,690 | 2,976,071 | +3.0% |
| 減価償却費 | 245,702 | 299,455 | +21.9% |
| その他費用 | 1,243,317 | 1,377,551 | +10.8% |
費用構造では、給与費の伸び(+3.0%)とその他費用(委託費・水光熱等)の伸び(+10.8%)が並行して推移した。物価・エネルギー高騰が直接費用に波及した可能性に留意する必要がある。
4. 給与費が費用構造の中心
令和6年度決算の給与費比率は62.0%です。
| 常勤・1人当たり給与費(月額・円) | 令和3年度決算 | 令和6年度決算 | 変化 |
|---|---|---|---|
| 常勤換算職員1人当たり給与費(全体) | 351,666 | 367,383 | +4.5% |
| 介護福祉士(常勤) | 380,533 | 388,997 | +2.2% |
| 介護職員(常勤) | 356,351 | 371,895 | +4.4% |
| 看護師(常勤) | 409,059 | 403,727 | -1.3% |
| 指標 | 令和3年度決算 | 令和4年度決算 | 令和5年度決算 | 令和6年度決算 |
|---|---|---|---|---|
| 給与費比率 | 63.7% | 62.5% | 61.4% | 62.0% |
単純な人件費削減ではなく、配置、稼働、加算取得、職員1人当たり指標を合わせて検討すべきです。
注意:本結果は回答施設の集計平均であり、個別施設の経営状態を直接示すものではありません。
5. 規模・生産性 ── 定員・職員数に変化
| 指標 | 令和3年度決算 | 令和6年度決算 | 変化 |
|---|---|---|---|
| 定員(人) | 15.0 | 17.8 | +18.7% |
| 延べ利用者数(人) | 348.2 | 356.9 | +2.5% |
| 常勤換算職員数(人) | 8.3 | 8.4 | +1.2% |
短期入所生活介護の令和3年度決算から令和6年度決算にかけて、定員は+18.7%、常勤換算職員数は+1.2%変化した。収支の変動を評価する際は、この施設規模の変化と介護報酬・補助金単価・コスト構造の変化を分けて確認する必要がある。
主要指標 一覧表(月額・1施設当たり)
| 科目 | 令和3年度決算 | 令和4年度決算 | 令和5年度決算 | 令和6年度決算 |
|---|---|---|---|---|
| 【収支】 | ||||
| 介護事業収益(小計) | 4,528,746 | 4,683,713 | 4,759,778 | 4,797,128 |
| 介護事業費用(小計) | 4,317,776 | 4,499,033 | 4,484,312 | 4,580,081 |
| 収支差額(ウ) | 144,708 | 120,840 | 196,267 | 130,354 |
| 収支差率(ウ) | 3.2% | 2.6% | 4.1% | 2.7% |
| 差引(エ・補助金込み) | 150,760 | 158,165 | 220,601 | 141,172 |
| 収支差率(エ) | 3.3% | 3.3% | 4.6% | 2.9% |
| 【費用内訳】 | ||||
| 給与費 | 2,889,690 | 2,931,090 | 2,926,543 | 2,976,071 |
| 給与費比率 | 63.7% | 62.5% | 61.4% | 62.0% |
| 減価償却費 | 245,702 | 284,948 | 284,751 | 299,455 |
| その他費用 | 1,243,317 | 1,355,055 | 1,342,723 | 1,377,551 |
| 【収益内訳】 | ||||
| 介護料収入 | 3,464,917 | 3,681,656 | 3,595,194 | 3,627,037 |
| 利用者等利用料収入 | 1,058,518 | 961,331 | 1,130,171 | 1,145,273 |
| 補助金収入(イ・ロ除く) | 7,598 | 41,857 | 34,501 | 24,914 |
| イ・ロ補助金計 | 6,052 | 37,325 | 24,334 | 10,818 |
| 【人件費・処遇】 | ||||
| 常勤換算職員1人当たり給与費 | 351,666 | 348,587 | 367,383 | 367,383 |
| 介護福祉士 給与費(常勤) | 380,533 | 376,583 | 388,997 | 388,997 |
| 介護職員 給与費(常勤) | 356,351 | 352,400 | 371,895 | 371,895 |
| 看護師 給与費(常勤) | 409,059 | 406,857 | 403,727 | 403,727 |
| 【規模・運営】 | ||||
| 定員(人) | 15.0 | 16.1 | 17.8 | 17.8 |
| 延べ利用者数(人) | 348.2 | 352.6 | 356.9 | 356.9 |
| 常勤換算職員数(人) | 8.3 | 8.7 | 8.4 | 8.4 |
| 有効回答数 | 341 | 784 | 294 | 294 |
経営・政策インプリケーション
- 自施設の月額収入・支出・差引比率を同じ定義で算出し、集計平均と比較する。
- 収入の増減を介護料、利用料、補助金に分け、恒常収益の伸びを確認する。
- 給与費は削減額だけで判断せず、利用者数、職員数、加算取得、1人当たり指標と併記する。
- 単年度平均だけで結論を出さず、月次推移と施設類型・規模別比較を追加する。
注記・出典
- 本結果は回答施設の集計平均であり、個別施設の経営状態を直接示すものではありません。
- 各金額は決算額を12で除した月額で、表章単位未満の丸めにより内訳が一致しない場合があります。
- 年度間の差は要因の存在を示しますが、制度改定や人員配置などの因果関係までは特定できません。
- 最新年度の有効回答数は294件です。母集団への代表性は別途確認が必要です。
原典:厚生労働省「第10表.xls」
作成:AUL(aul-dox.jp)/本レポートは公的統計を分析・可視化した二次的著作物であり、数値の正確性は原典に依拠する。
生成日時: 2026-07-20 17:08